1990年代中盤、ロンドンから巻き起こったBritpopムーブメント。オアシスやブラー、パルプといったバンドたちが奏でたキャッチーでエネルギッシュなサウンドは、使用機材によっても大きく規定されていました。今回は、あの時代の空気感を生み出した、ギター、アンプ、エフェクト、ドラムといった機材の数々を厳選してご紹介します。
Britpop の機材選定軸は、大きく3つです。まず音色面では「明るく煌びやかで、キメの細かい高域」「歯切れよく立ち上がるクランチ〜ドライブサウンド」「エコーやリバーブで広がりを持たせる」という特性が重視されていました。次に入手性として、当時ロンドンの楽器店で容易に手に入った Fender、Gibson、Marshall といったスタンダードブランドの機材が中心になります。そして歴史的には、1960年代のモッドカルチャーやグラムロック、 70年代のパンク・ニューウェイヴへのオマージュを反映した機材選びが特徴的でした。
価格帯としては、メインのギターやアンプは 10 万円前後から数十万円のレンジに集中しています。ただし Fender Stratocaster や Gibson Les Paul といった定番機は、新品相場で 20〜30万円程度と、学生バンドにとっても手の届く価格帯です。エフェクトペダルは 5000〜15000円程度、チューブアンプは 15万円以上と、全体では初心者から上級者まで幅広い選択肢が存在します。
初心者向けには、Fender Stratocaster と Marshall アンプの組み合わせ、そして Boss の定番エフェクト数個で十分です。この組み合わせだけで Blur や Oasis の初期曲は再現可能です。一方、中〜上級者であれば、Vox アンプの特有のサチュレーション、Univibe や Tremolo といった空間系エフェクト、あるいは Rickenbacker の独特なジャンジャリ感といった、より個性的な機材を組み合わせることで、一層深みのあるBritpop サウンドを構築できるでしょう。
注目すべきは、Britpop 時代には「最新テクノロジー」よりも「60年代のビンテージギアへの回帰」が重視されていたということです。デジタルエフェクトが主流になっていた当時も、オアシスのノエル・ギャラガーは Epiphone Casino を愛用していましたし、ブラーはビンテージの Fender Jazzmaster を組み込んでいました。つまり、この時代の機材選びは「古きよき音」への執着と「現在性」のバランスが最大の魅力だったのです。
Britpop は、音楽史の中でも最も機材にこだわった時代の一つです。今なお中古市場では Britpop 時代の愛用機が高く評価されており、それらを手に入れることで、あの時代の熱気と創造性を直接体験することができます。本リストの機材たちは、単なる「音出しの道具」ではなく、90年代ロンドンの文化を映した「アート作品」として捉えることも可能です。
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