アンビエントギターにおいて『Wet』とは、原音にかかるリバーブやディレイなどの空間系エフェクトの総称です。Dry(原音)に対して、いかに豪奢で深い空間を作るかがサウンドの命となります。近年、シンセシスト的なアプローチでギターを扱うプレイヤーが増え、単なる『飾り』ではなく、エフェクト自体が楽曲の主役になる時代へ突入しました。
アンビエント系 Wet 機材の選定にあたり、以下の軸を重視しました。第一に『空間の広がり』—リバーブの余韻やディレイの重ねの豪華さ。第二に『時間軸の操作性』—ファイネスな LFO やタイミングのコントロール。第三に『ミックスイン・フローズン性』—Wet のみで成立する深さ、あるいは Dry とのバランスの取りやすさ。第四に『信頼性と拡張性』—ライブでもスタジオでも長く愛用できるかどうかです。
スペクトラム的には、プロフェッショナルな大型マルチエフェクト(BigSky、Ventris)からコンパクトな単能リバーブ(Neunaber Immerse、Boss RV-500)、さらにはアナログ回路の温かみを持つディレイペダル(Chase Bliss Audio、Strymon Volante)まで、価格帯で 5,000 円代のエントリー機から 100,000 円超の最高峰まで幅広く配置しました。
初心者向けには、BOSS RV-6 や Electro-Harmonix Holy Grail Max のような『これ一台で十分な深さが出る』ペダルをお勧めします。拡張性も高く、後々のアップグレードも容易です。一方、既に空間系の扱いに習熟した中〜上級者にとっては、Strymon BigSky や Eventide H9 のようなアルゴリズムの豊富さ、あるいは Analog Industries や Empress Effects の職人気質な設計に惹かれるかもしれません。さらに深堀りするなら、Meris や Walrus Audio といった新興メーカーの『奇想天外な空間系』を試す価値も十分あります。
選から外れはしたものの、言及しておきたい機材があります。Eventide TimeFactor はディレイの最高峰の一つですが、今回は MultiEffect 枠との重複を避けました。また、Soundblox Pro2 といった iPad ベースのハイブリッド・エフェクトも、スタンドアロン性重視の観点から今回は見送っています。それでも、ライブやレコーディングの現場で『あの音が欲しい』と思ったら、是非試してみてください。
アンビエント・ギター の 4 ウェイ Wet エフェクト選びは、言わば『空間の建築』です。定番機から珍品まで、自分の音世界を構築するための 19 機種を厳選しました。この一覧が、あなたの次のサウンドを形作る一助となれば幸いです。
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